#146「世界から愛されたテニスプレーヤー」ビョルン・ボルグ

非常識人列伝

世界を動かした非常識人列伝 第146話

ビョルン・ボルグ(1956年〜)
世界的に活躍したテニス選手の映画監督

テニスはとても人気のあるスポーツですが、その人気を決定付けたのはおそらく1980年のウィンブルドン選手権でしょう。この年の7月5日、ビョルン・ボルグはジョン・マッケンローと3時間55分に及ぶ決勝戦を制し、大会5連覇を果たしました。この試合はテニス史上に残る名勝負と言われ、現在まで語り継がれています。

ビョルン・ボルグは生真面目なプレーで人気を博しました。それは、マッケンローのやんちゃなプレーとは対極にあり、コツコツと勝負を重ねていく誠実さに多くの人々が好感を持ったのです。ボルグ自身も「私の強みはしつこさだ。絶対にあきらめない」といった言葉をのこすほど。その結果が全仏オープン6勝、ウィンブルドン5勝という記録につながっているのです。また、ボルグが得意としていた強い回転をかけたショットは「トップスピン」と呼ばれ、テニス用語の一つとなっています。

そんなボルグも実は頑固で頑なな一面を持っていたようです。それはプレーの技術。ボルグと言えば、ウェスタングリップでのトップスピンやオープンスタンス、また両手でのバックハンドなど、いまでは当たり前の技術を駆使していました。しかし、当時、これらは異端であり修正すべき欠点であるとみなされていたそうです。ボルグもコーチから散々直すようにと言われたそうですが、彼は決していうことを聞きませんでした。

その結果、ボルグは自分自身のテニスを確立させ、それが多くのプレーヤーに伝わり、新しい時代のテニスが生まれたといっても過言ではないのです。「コーチの言うことを聞かなかったから、ウィンブルドンでも全仏でも優勝できたんだ」と常々周囲に発言していたボルグ。その頑固さとストイックさが、彼をテニス界の頂点へと押し上げたのかもしれませんね。

タイトルとURLをコピーしました