#156 「苦しんだ末に人々を幸せに導いた人」釈迦

非常識人列伝

世界を動かした非常識人列伝 第156話

釈迦(BC6世紀〜BC7世紀)
北インドに実在した仏教の開祖

お釈迦様は仏教の創始者です。他にブッダ、ゴーダマ・シッタールダなどの名前を持ち、紀元前7世紀ごろに実在したと言われています。釈迦はヒマラヤの小さな国の王子として生まれました。そして、国の民が老いや病気などから逃れられない様子を見ていて出家を決意。修行僧となりました。何人かの偉人のもとに弟子入りした釈迦ですが、誰からも答えを見出すことが出来ず、1人苦行に挑みます。その苦行で行き倒れたところを村の娘スジャータに助けられた後、菩提樹の下で悟りの境地に達したと言われています。

釈迦の教えが仏教としてアジアを中心に広く流布され、信仰を集めたのには理由があります。それは釈迦自身が苦行を行った結果、行きすぎた苦行が無意味だと結論づけたことだと言われています。そして、釈迦自身が恵まれた裕福な家庭に生まれ育ったからこそ、富が幸せに直結するのではないということを身を以て知っていたのでしょう。

生まれた直後に右手で天を差し、左手で大地を差しながら「天上天下唯我独尊」と声を出したと言われていますが、こんな常識では考えられないエピソードが伝えられているのは、神格化された釈迦だからこそでしょう。しかし、「この世のなかで私ほど貴いものはない」という個人の尊厳を諭した言葉を生まれた瞬間に口にしたという伝説は、釈迦その人の尊さを表しているのかもしれません。

今日まで広く信仰されている仏教の開祖となった釈迦。その生涯は様々な形で後世に伝えられています。文豪ヘルマン・ヘッセは『シッダールタ』で釈迦の生涯を描き、漫画の神様・手塚治虫は『ブッダ』で壮大な悟りへの道を描きました。ドイツ、アメリカ、日本など数多くの国で映画化もされています。紀元前5世紀に生まれ、世界中で約4億人という信者を誇る仏教の開祖・釈迦。釈迦という人や仏教の教えはまだまだこれからも伝えられて行くのでしょう。

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