#49 「生きた花を真空パックすると満開の花を届けられます。」

真空にヒントあり

新鮮な野菜を真空パックすると、酸化を防ぐことができておいしさが長持ちします。スーパーでよく見かける、モヤシやカット野菜。裸のままの野菜よりも長持ちして、しかも容量も抑えられて輸送しやすく、とても便利です。

それなら、この真空パック技術を生花にも使えないかと考えたのが島根県の農業技術センターです。島根県の松江市では約300年前からボタンの栽培が盛んでした。いまでは生産量も日本で一番。でも、お客様の手元に届く頃に開花するように調整するのが難しく悩みの種でした。なにしろ、運んでいる間にも開花がどんどん進んでしまうので、特に遠距離輸送に問題がありました。

しかし、真空パックを使えば開花までの時間を調整することができます。

島根県の農業技術センターではボタンの切り花を真空パックで運ぶ技術を10年かけて開発。2010年に特許を取得したこの技術は、花が潰れない程度に真空パックして、2±1℃の低温のまま運ぶというものです。この方法だと開封後3日で満開になります。保存期間も2週間〜4週間と飛躍的に伸びたので、切り花の輸送に大きな福音となりました。


第49話「生きた花を真空パックすると満開の花を届けられます。」
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