#161「蚊に殺された伝説の大王」アレクサンドロス3世

非常識人列伝

世界を動かした非常識人列伝 第161話

アレクサンドロス3世(BC356年〜BC323年)
古代ギリシャの王

アレクサンドロス3世は、またの名をアレクサンダー大王と呼ばれたは古代ギリシャの王。子どもの頃、家庭教師をしていた哲学者アリストテレスから多くのことを学んだそうです。だからでしょうか。アレクサンドロス3世は比類なき戦略家となり、また的確な指令を発することで大帝国を築きあげたのです。古代マケドニアの王からスタートして、エジプト、ギリシャ、ペルシャ、インドに至る広大な帝国は当時で言えば世界征服にも等しいもの。だからこそ、彼はアレクサンダー大王として恐れられ讃えれたのでしょう。

アレクサンドロス3世の生涯はたった32年の短いものでした。20歳でマケドニアの王となってからわずか十年ほどでアレキサンダー大王と呼ばれるようになったのは、前述の通り天才的な戦略家であったから。しかし、彼には大きな欠点もありました。戦略家であり国を拡大する力には長けていたのですが、国を平穏に治める内政は不得手であったと言われています。本人のカリスマ性だけで国を治めたため、彼が亡くなった直後から内政は混乱し、4人の将軍によって国が分割され以後40年に渡って戦いが繰り広げられました。

アレクサンドロス3世が後世に残した功績としては、文化の融合があると言われています。彼が東方遠征したことによって、ギリシャ文化が大きく世界に広がりました。同時に、征服したそれぞれの国の文化と混ざり合うことによって、ギリシャ、オリエント、エジプトの文化が融合されたヘレニズム文化が誕生したのです。また、交通の要所にアレクサンドリアという名の都市を作り、文化・経済の交易を推奨しました。このことは、のちに広大な国土を一つの価値観で結びつけるという大きな役割を果たすことになります。

良くも悪くも世界に大きな影響を与えたアレクサンドロス3世ですが、彼の死因は小さな一匹の蚊によって運ばれたマラリアだと言われています(諸説あり)。そして、彼の墓がどこにあるのか、はっきりとしたことはわかっていません。

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