#162「絶世の美女の知性とサプライズ」クレオパトラ

非常識人列伝

世界を動かした非常識人列伝 第162話

クレオパトラ(BC69年〜BC30年)
古代エジプトの女王

さあ、クレオパトラの登場です。クレオパトラといえば、世界三大美女の一人と言われていますね。ちなみに世界三大美女とは一人は中国の楊貴妃、もう一人が日本の小野小町、そして、エジプトのクレオパトラです。

クレオパトラは絶世の美女として語り継がれています。フランスの思想家パスカルは、『パンセ』のなかで「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界の歴史は変わっていたはずだ」と書き残しています。パンセがこう書いたのは、カエサルやアントニウスなど、ローマの英雄たちがこぞってクレオパトラの虜になったという史実があるからです。もちろん、美人の基準は時代によってかわりますし、ローマの英雄たちがクレオパトラに魅了されたのは、その知性だったという説もあります。

クレオパトラはエジプトの港町、アレクサンドリアの生まれです。地中海に面したこの町はエジプトの交易にとって重要な場所でした。そのため、いち早く最先端の文化や流行が入り込んでいた可能性が高く、クレオパトラもそんな最先端のトレンドに影響されながら育ったのではないかと言われています。また、アレクサンドリアの町は教育を重視していました。女性にも学校を開いていたため、クレオパトラも最高レベルの教育を受けていただろう、という学者もいます。一節によると、クレオパトラは9ヵ国語を話したとも言われているのです。

父親の死後、18歳で女王に即位したクレオパトラ。確かな知性がなければ、国政を担う女王の地位に即位することはなかったかもしれませんね。クレオパトラの頭の良さを伝えるエピソードを1つ。女王としてもっとも腐心したのがローマとの外交です。軍事力で領土を拡大していたローマは大いなる脅威。そんなローマとの交渉のためにクレオパトラが利用したのは小麦でした。彼女はエジプト中の小麦をアレクサンドリアに集め自分で管理したのです。そして、他国よりもローマを優遇することで、ローマを敵に回さず味方に付けることに成功しました。

また、クレオパトラが弟との権力争いをしている最中に、ローマのカエサルが仲裁にやってきました。この時、自分の優位に事を進めようとしたクレオパトラは、自分自身が絨毯も中に隠れて、カエサルの元に運ばせたという話しがあります。このサプライズにカエサルは感動し、クレオパトラに惚れ込み、交易のパートナーに選んだそうです。

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