#232「鬼と呼ばれたモテモテ男」土方歳三

非常識人列伝

世界を動かした非常識人列伝232話

土方歳三(1835〜1869)
新撰組副長

土方歳三といえば、『燃えよ剣』のモデルとして小説にもなり映画にもなった人物。いろんな文献を当たってみると、この土方歳三、かなりのイケメンだったようです。14歳の頃から松坂屋に奉公に出ていたそうですが、ここでも女性たちからモテモテになっただけではなく、男の番頭さんからも「つきあわないか」と誘われていたほどの男前だったそうです。モテすぎるのもちょっと困ったものですね。

しかし、そんなイケメンでモテモテの土方ですが、新撰組副長になってからは、周囲に厳しく接し、鬼と呼ばれていたそうです。新撰組の隊規に背いた者は容赦なく切腹させていました。ただ、土方をよく知る者は、それは人徳を全面に押し出していた近藤勇とのメリハリを付けるために、敢えて厳しい人間を演じていたとも言います。

そんな心根の優しい土方だからでしょう。彼は、近藤勇が処刑され、沖田総司が病死すると、「俺は死に遅れた」が口癖になったそうです。周囲の仲間たちが次々と死んでいく中、自分だけが一人取り残されていく感覚の中で、大きな孤独を感じていたのでしょう。

土方歳三の最期については諸説あるのですが、腹に鉄砲の弾を受け、落馬して亡くなったという説が有力のようです。享年34歳、盟友であった近藤勇と同じ年に亡くなりました。

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