#266「雷を研究した、アメリカ合衆国建国の父」ベンジャミン・フランクリン

非常識人列伝

世界を動かした非常識人列伝266話

ベンジャミン・フランクリン(1706〜1790)
アメリカ合衆国の物理学者

フランクリンはアメリカのマサチューセッツ州に生まれました。12歳で印刷工となった彼は、実業家となり政治家となり発明家となって、最後はアメリカ建国の父と呼ばれるまでになりました。そんなフランクリンが残した言葉は、いまも日常よく使われることわざになっているものも少なくありません。「時は金なり」「神は自ら助くる者を助く」「点滴、石をうがつ」などの言葉とともに、いまも世界中で愛されるベンジャミン・フランクリンという人物をご紹介します。

アメリカの100ドル紙幣の顔として、世界中に知られているフランクリンも、もとは貧しい家庭の子どもでした。兄の元で印刷工となり、兄とケンカをしてロンドンへ渡り植字工となりました。20歳になったころにフィラデルフィアに戻って再び印刷業を再開し、アメリカで初めてのタブロイド誌を発行したそうです。成功を手にしたフランクリンは、25歳でアメリカ初の公共図書館を設立。26歳で発刊した格言集『貧しきリチャードの暦』で有名になりました。

フランクリンは人一倍好奇心が旺盛でした。実業家として成功を収めても、それに飽き足らず、雷の研究を始めます。そして、雷が電気現象であることを証明し、避雷針を発明しました。他にもフランクリンが発明したものはたくさんあります。ゆったりと揺れるロッキングチェアー、高いところの本を取るためのマジックハンド、暖房効率を高めたフランクリンストーブ、グラスを楽器にしたグラスハーモニカ、遠くも近くも見える遠近両方メガネなどなど。

彼がここまで成功したのは、子どもの頃から節約家で勤勉だったからだと言われています。その教えが「フランクリンの13德」という教訓となって言い伝えられています。「節制/飲み過ぎるな食べ過ぎるな」「沈黙/無駄に話すな」「規律/物の場所を定め、仕事の時間を定めよ」「決断/成すべきことを決心し、それを必ず実行すべし」「節約/浪費するな」「勤勉/時間を無駄にせず、常に何か益があることに従え」「誠実/心事は無邪気に公正に保つべし」「正義/他人の利益を傷つけない。与うべきを与えず人に損害を及ぼさないように」「中庸/極端を避けよ。激怒を慎め」「清潔/身体、衣服、住居の不潔を黙認するな」「純潔/健康と子孫のためにのみ性的関係を行い、頭脳を鈍らせないこと」「平静/平静を失うことなかれ」「謙虚/イエスまたはソクラテスに見習うべし」以上の13の格言を見るだけでも、フランクリが非常識なほどに努力の人だったことがわかります。そして、努力の天才、フランクリンはやがて、アメリカ合衆国の独立宣言の起草委員会の一員となり、アメリカ合衆国憲法制定会議で活躍し、アメリカ建国の父と呼ばれるようになりました。

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