スポーツなどの大会で優勝するともらえるカップやトロフィー。あの金色に輝く優勝カップやトロフィーが自宅のリビングにあるぞ、という方も少なくないと思います。もし、自分は持っていなくても見たことくらいはありますよね。
では、あのカップやトロフィーの誇らしげな金色の輝きは何で出来ているかご存じですか? 本物の金? いえ、残念ながら本物の金は使われていません。本物の金を使って、あれほど立派なサイズのカップを作ってしまうといくら予算があっても足りません。それなら、どうやってあんなにキラキラとして金色のカップやトロフィーを作っているのでしょうか。
実は、アンチモニーという金属を使用しています。アンチモニーはどっしりとした風格を持った素材です。比重が銀に近く、インテリアやアクセサリーなど、装飾工芸品として様々な用途で重宝されています。歴史も長く、徳川時代からの歴史ある産業として知られているのです。
このアンチモニーをカップやトロフィーの形に成形します。そして、表面が平滑になるように樹脂を塗装し、そこにアルミニウムを真空蒸着します。その上から黄色の塗装すれば金色に輝いて見えるというわけです。
カップやトロフィーに使用される材料はアンチモニー以外にもブロンズやプラスチックなどが使われています。いろんな素材を光り輝かせることができる真空技術。もしかしたら、輝きたくて真空技術との出会いを待っている素材が他にもあるかもしれませんね。