#37 「坂道のリング模様は真空コンクリートの証です。」

真空にヒントあり

坂道を歩いていると、コンクリートで固められた表面にO型の滑り止めが付いていることがありますよね。この丸い滑り止め、実は真空コンクリートの施工跡なのです。といきなり言われてもよく分かりませんよね。ちょっと説明させてください。

この真空コンクリートという工法は昭和29年に日本で初めて生まれた工法。簡単に説明すると、コンクリートをより強くするための工法です。コンクリートを打ち込んだ後、約30分ほどたったら真空ポンプでコンクリート内のあまった水や空気を取り除いてしまいます。そうすることでコンクリートの表面が大気圧に押されて、締め固められて表面が高強度になり、耐摩耗性も向上します。具体的には耐摩耗性は普通に施工したコンクリートに比べて2倍から2.5倍向上し、表面の固さも50〜60%も向上すると言われています。

この真空コンクリートが主に使用されているのは交通量の多い車道や駐車場の進入路など。つまり、摩耗が比較的多い場所で使用されているわけです。手間のかかる工法ですが強度が増すことでメンテナンス費用を低減できるというメリットがあります。 あなたの街のどこかにもきっとこのO型のついたコンクリートがあるはず。ぜひ、探してみてください。

第37話「坂道のリング模様は真空コンクリートの証です。」
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