#38 「音楽を記録するCDにも真空が役立っています。」

真空にヒントあり

音楽や映像の楽しみ方も変わってきました。少し前まではCDやDVDで楽しむという人がほとんどでしたが最近ではスマホなどで音楽や映像のデータをダウンロードしてそのまま楽しむ人が増えています。それでも、大好きなアーティストの新しいアルバムがCDで発売されるのを楽しみにしている方もいますし、何度も見たい映画はやっぱりDVDで持っておきたい、という人もいますよね。

さて、そんなCDやDVDにどうやって音楽や映像のデータが記録されているのかご存じでしょうか。CDやDVDはポリカーボネート樹脂によってできています。ここに音楽や映像の情報データをビットにして転写し、再生時はそのビットにレーザーの光を当ててデータを読み取ります。

さて、CDやDVDの表面ってキラキラと光っていますよね。あれは、表面がレーザーの光が反射しやすいアルミの膜で形成されているからです。そして、この膜を形成するときに真空が力を発揮します。

スパッタ装置というマシンでディスクに膜を形成するのですが、そこでかかる時間は1枚につき約4秒。膜を作っている時に、別のディスクがまた入ってくるという構造なので2秒に1枚が仕上がるという計算です。こうしてアルミの膜が形成されたディスクの表面に透明な塗装を施し、その上にレーベル印刷をすればあなたの手元に届くCDの出来上がりと言うことになります。

ちなみにDVDの場合は、2枚のディスクを貼り合わせて2枚分のデータを記録することがほとんど。それを一方の面から読み取るため半透明にする必要があります。読み取り面のディスクは窒化シリコンの半透明膜、レーベル側のディスクの反射面は銀などを用いています。これを読み取り側から見ると薄紫のような色に見ますので、みなさんも手元にDVDがあれば確認してみてください。

このように、みなさんが日頃から楽しんでいる音楽や映像作品を記録したCDやDVDの製造工程にも真空が深く関わっているのです。

第38話「音楽を記録するCDにも真空が役立っています。」
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