#65 「人工衛星はなぜ金色に輝いているのでしょう?」

真空にヒントあり

宇宙の神秘に迫り、数え切れないほどの情報を地球上に送り届けてくれている人工衛星。そんな人工衛星の多くは金色のフィルムに包まれています。なぜ、人工衛星は金色のフィルムにおおわれているのか。みなさんはご存じですか?

実は、みなさんが想像しているよりも遙かに大きな苦難に、人工衛星は直面しているのです。中でも最大の試練は人工衛星がさらされる温度。人工衛星は地球を周回していますが、太陽に面するとその表面の温度は120℃にもなります。しかし、太陽の影に入ると一気にマイナス150℃にまで下がり、なんと一瞬にして300℃ほどの温度差にさらされてしまいます。

この温度差の中でも壊れることなく任務を果たすために、人工衛星にはあの金色の熱反射フィルムが貼り付けられているのです。正式にはサーマルブランケットと呼ばれるポリイミドフィルム。このフィルムは元々黄色の透明なフィルムですが、そのフィルムの片面に巻取型真空蒸着装置でアルミニウムを蒸着してあるので、金色に見えるのです。

65 「人工衛星はなぜ金色に輝いているのでしょう?」
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