#71 「壊れやすい卵は、真空で荷造りします。」

真空にヒントあり

毎日の食事に卵は欠かせません。朝のハムエッグ、昼の親子丼、夜のすき焼き……。気がつくと、卵を1つも食べなかった日を探すほうが難しいくらいです。2015年の統計ですが、日本人は年に329個の卵を食べたのだそうです。つまり、ほぼ1日に1個。卵はそれだけ私たちの暮らしに欠かせません。

そんな私たちの生活と切っても切れない卵。遙か昔から食べていたのだろうと考えてしまいますが、それが意外に歴史が浅く、江戸時代からだろうと言われています。そもそもニワトリは神聖なものとして扱われ、その卵も神聖なものとされていました。そのため、卵を食べることを避けてきたのではと言われているのです。もちろん、卵そのものが貴重品だったという背景もあるでしょう。それが近代に入って庶民の口に入るようになると、あっと言う間に量産体制が整えられました。

その量産体制に一役買っているのが真空技術です。ニワトリが産んだ卵から規格外のものを排除し、綺麗に洗浄・殺菌したあとでサイズ毎にパッケージされます。その際、割れやすい卵を大切に移動させるために、真空チャックを使用しているのです。簡単に言うと、パックに入る個数分の卵を一気に吸着して運んで入れていくという技術。真空状態を微妙に調節することで、落とさず、そして強すぎて割ったりしないように運んで荷造りできるのです。

71 「壊れやすい卵は、真空で荷造りします。」

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