#75「遙かなる歴史を真空が守っているのです。」

真空にヒントあり

歴史への興味の深さは人それぞれだと思いますが、人は誰もが歴史の流れのなかに生きています。だからこそ、遙か昔の歴史的な遺跡が発掘されたとなると、大きなニュースになりみんながその地を訪れたりするのでしょうね。

さて、そんな歴史的価値のある古代の遺跡はどのように発見されるのでしょう。そのほとんどは大地の中に眠っているところを発見されています。壁に描かれた極彩色の壁画、木や竹に墨で書かれた木簡や竹簡などがたくさんの遺跡から出土していますが、実は土の中で木簡などが周囲と遮断され、パック詰めされていたからこそ当時のままの姿で遺されていたのです。

1961年に平城宮跡で見つかった木簡の一部は、掘り起こされた直後は真新しい木片と見間違うばかりの明るい色をしていたと言われています。しかし、30分とたたないうちに黒褐色の枯れ木となってしまったのです。これを防ぐために採用され始めたのが凍結乾燥。つまり、出土した木材から余分な水分を除去して長期保存するようにしたのです。

余分な水分や雑菌などが排除されていた、いわば真空パック状態から、再び真空状態へ。雄大な歴史は真空によって守られています。

75「遙かなる歴史を真空が守っているのです。」
タイトルとURLをコピーしました