#99「電気自動車も真空なしでは語れない」

真空にヒントあり

電気自動車は次世代の自動車として頭角を現し、すでに人々の暮らしの中にも普及し始めています。さて、そんな電気自動車の業界が私たち真空技術に注目しているのです!というのは、ちょっと大げさかもしれません。うれしくなって、ちょっと大げさに書いてしまいました。正確には真空技術で作られたネオジム磁石に電気自動車業界から熱い視線が集まっているのです。

ネオジム磁石というのはレアメタル希土類元素を用いて作られる超強力なレアアース磁石のひとつです。1960年代に入って精製分離が可能になり、特性が明らかになってきた物質。カラーテレビのブラウン管の蛍光体、カメラの高屈折レンズ、高性能永久磁石、充電式電池と、電機部品の小型化軽量化に貢献してきました。

まず原石を粉砕し、レアアースの酸化物を分離精製して溶融電気炉で加熱するとレアアース金属ができます。そのレアアース金属や他の金属材料を真空溶解炉に入れて溶かし、インゴットにしてから粉砕して微粉末に。最後にこの微粉末を、磁場をかけた金型に入れてプレス成型し、真空焼結炉の中に入れて焼き固めるとレアアース磁石の完成です

この磁石が電気自動車のモーターを小型化・強力化することにつながり、実用化をさらに大きく後押しする材料として注目されています。既存の車も未来の車も、真空という技術を無くしては語れないということなのかもしれません。

99「電気自動車も真空なしでは語れない」

タイトルとURLをコピーしました