#148「厳しい寒さから水道管を守るのも真空です。」

真空にヒントあり

寒さが厳しい季節。水道管のなかの水が凍ってしまい、水道管が破裂したという話しをよく聞きますね。凍結を防ぐためには水を少しずつ出して、なかの水が凍らないようするなど工夫が必要。でも、何年かに一度冷え込むような地域はそれでいいのですが、雪がたくさん降るような寒冷地ではそんなわけにはいきません。人々の工夫よりも、水道管が凍らないようにする根本的な仕組みが必要です。

そこで誕生したのが寒冷地仕様の水道管。ステンレス製の管を二重にして、その間を真空にするのです。管の間に真空部分を作ると熱を伝えにくくなるため、水が凍らなくなるのです。テストによると−30℃で45時間という状況でも水が凍りませんでした。煩わしい水抜きも不要で錆にも強いというメリットがあります。

ここまで読んでくるとこの構造、なにかに似ていませんか。二重にして熱さや冷たさから中身を守る。そう、魔法瓶と同じ構造です。実はこの寒冷地仕様の水道管を開発したのは建設資材などの会社ではなく、魔法瓶の専門メーカーでした。

この二重の管は物流にも一役買っています。例えば、温かな食品を温かいまま配送する車の貨物庫内は一定温度に保たなければいけません。これはラジエーターの温水を利用しています。しかし、寒冷地では外気にさらされるラジエーターパイプでは温度が低下してしまいます。そこで、このパイプを二重にして高い断熱性を実現しているのです。

148「厳しい寒さから水道管を守るのも真空です。」
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