#183「真空芸術は究極の美?それとも?」

真空にヒントあり

最近、イタリアの芸術家が出品した作品が美術界で大きな話題になりました。タイトルはイタリア語で『Io Sone』、英語だと『I am』だそうです。オークション形式で販売された作品は最初6000ユーロ程度で落札されると見込まれていましたが、最終的には1万5000ユーロ、日本円にして約200万円という価格に落ち着きました。

購入者には本物であるという証明書が渡されたのですが、この証明書がなくなってしまうと大変なことになるのです。だって、この作品、目には見えないから。作者によると、「この作品の特徴は目に見えないこと」だそうです。だからといって、作品が無いわけではないと作者は語っています。「この作品は真空なのです。そして、真空とはエネルギーが満ちた空間に他なりません」と。

英国の新聞によると、この作品は彫刻作品で、「照明や空調のないプライベートな1.5メートル四方の空間に展示されることを想定されている」とのこと。この作品の作者は他にも目に見えない彫刻『瞑想するブッダ』を発表。ミラノのスカラ広場の地面に四角くテープが貼られた画像が作品としてインスタグラムにアップされています。

さて、いよいよ真空が芸術となる日が来た!と喜んで良いのか、真空をややこしい話に巻き込まないで!と怒るべきなのか。でも、みんながそこにあるかもしれない真空の姿をそれぞれに思い浮かべている姿って、平和で創造性に富んでいて、なんだか幸せな光景なのかもしれませんね。

183「真空芸術は究極の美?それとも?」
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