#184「コロナ禍を生き抜くためのアイテムをご紹介!」

真空にヒントあり

コロナ禍の暮らしをなかなか抜けきれない毎日。みなさんも不安に苛まれることもあるはずです。いちばん心配なことは、コロナウィルスに感染してしまったときに重症化のリスクをどう切り抜けるのか、ということではないでしょうか。そのためには病床が不足していても、自宅で重症化しているかどうかを迅速に判断できることが大切です。そうすれば、次にどう動けば良いのかを考えることができます。

さて、そのためのアイテムがオキシメーター。指先に取り付けて、血液中の酸素飽和度を計測する計測器です。簡単に言えば、血液中の酸素が足りているのかどうかを計測するもの。コロナウィルスに感染して肺の機能が低下すると、体中に酸素を充分送り込むことはできなくなります。酸素の飽和度が低下しているかどうかで、重症化を数値として判断することができるというわけです。

このオキシメーターですが、指先に赤外光と赤色光を当てて、透過した光の吸収具合で飽和度を読み取ります。血液はただ赤いように見えていますが、赤く見えるのはヘモグロビンと酸素が結びつくからなのです。つまり、赤色の度合いを見れば酸素の量がわかるという仕組みです。

もちろん、この計測に使う赤外光と赤色光を発するLED(発光ダイオード)にも真空技術が活かされています。LEDの素子は1mm程度。数種類の膜を重ね合わせて作られているのですが、この膜を重ねる際に、真空中でMOCVD(有機金属気相成長)という装置で数種類膜を重ねて形成していきます。このLEDの汎用性は非常に高く、駅の文字表示板から大型のフルカラーディスプレイ、信号機などに使用されています。また、一般家庭で使われている家電品などのディスプレイ表示にも数多く使われています。

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