#208「ワクチンを常温保存するために、真空が頑張った!」

真空にヒントあり

アフターコロナという言葉が良く聞かれるようになりました。まだまだ予断はゆるしませんが、感染予防のための新しい生活習慣やワクチンの予防接種などが功を奏したのでしょう。さて、ここで新型コロナのワクチンについてのお話しです。みなさんが摂取したワクチンはファイザー製やモデルナ製など、製造元に違いはありますが、すべて液体。これを工場から運び、摂取するまで、鮮度を保つためには冷凍保存が必要でした。

冷凍庫が壊れていて、せっかくのワクチンが破棄されたというニュース報道もありましたね。しかし、冷凍による保存や輸送にはコストがかかります。これが常温でできればもっと簡単にもっと低コストでワクチンを運ぶことが出来るのに!そんな願いを実現した会社が日本にあるそうです。大阪のある会社が開発したのは、真空の力を駆使した凍結乾燥粉末ワクチンの製造ライン。液体だったワクチンを成分や効能を変えることなく粉末にしてしまうのです。

具体的にはワクチンをこの真空装置先端部のノズルから霧のように吹き出させて、真空凍結器内でパウダー状に凍結させます。これをドラムに入れて乾燥させるのです。こうして出来上がった粉末のワクチンは、輸送も簡単で海外にも供給しやすくなります。もちろん、医療に関わる人たちの負担も軽くなりますね。

歴史を振り返っても、感染症がなくなることは考えられません。その度に、私たちは新しい薬を開発したり、情報を共有することで感染対策をしたり、少しずつ賢く対応する術を身につけてきたようです。ワクチンを粉末にして保存・輸送を行うという技術もその一つ。そこに真空が使われているということが、とても誇らしい気持ちです。

タイトルとURLをコピーしました