みなさん、お元気にお過ごしでしょうか。元気に快適に毎日を送るためには、豊かな暮らしが必要です。そして、豊かな暮らしを支えているのが様々な分野の技術革新。でも、新しい技術を使うためにはやっぱりエネルギーが必要です。いくら便利だからって、ガソリンなどの限りあるエネルギーを無自覚に使用するのはやめましょう、という考え方がSDGsの原則です。そこで見直されているのが風力発電。火力発電のように化石エネルギーを燃やして二酸化炭素を放出することもありません。また、原子力発電のように事故や廃棄物の扱いに頭を悩ます必要もないのです。
日本の風力発電には2018年のデータで総数が2253機。この数は世界的に見てもまだまだ少ないと言わざるを得ません。SDGsの観点からも注目を集めてきた風力発電があまり普及していないのには理由があります。ひとつは風力発電に向いている広い平地が日本には少ないこと。また、平地には人が住んでいることが多く、住民との調整や立地のための規制が足かせになっていることがあげられます。そのため、日本では北海道などに作られることが多く、まだまだ国土全体に普及するにはいたっていません。
しかし、風力発電は世界的なトレンドのなかで、再び注目を集め、特に海の上に発電機を設置する洋上風力発電が伸びると考えられています。さて、風力発電に欠かせないのはあの特徴的な長くて大きなブレード(羽)ですね。あのブレードはCFRP(炭素繊維複合材料)で作られています。ガラス質の繊維を編み込んだ特殊な樹脂を真空技術でしみ込ませて強靱なブレードが作れているのです。ブレードが大きいほど受ける風の量が多く、発電にも有利。そこに目を付けたGEが世界最大の風力タービンを開発しました。そのブレードはなんと1枚が110mもあるんだそうです。強くて大きなブレードを作るためにも、持続可能な世の中を次の時代に引き継いで行くためにも、真空技術が役立っているのです。