#218「卵を毎日安心して食べられるのは真空があるから」

真空にヒントあり

鳥インフルエンザの影響で、卵の生産量が大きく落ち込み、スーパーでも品切れという状況が続いたことは記憶に新しいですね。朝の目玉焼き、お弁当の玉子焼き、卵を食べない日なんてないよ、というくらいに欠かせない卵。私たちは毎日、どのくらいの卵を消費しているのか知っていますか? 日本鶏卵協会の調べによると、日本では国民一人当たり消費量は、年間337個(2021年)だそうです。赤ちゃんからお年寄りまでの全員が毎日約1個は必ず食べているという計算ですね。そして、この数字、世界中でも断トツに多く、年間409個のメキシコに次いで世界第2位だそうです。

昭和の中ごろまでは高級品だった卵ですが、生産性が向上したことで価格も安く安定供給できるようになったのです。そんな生産性の向上に貢献しているのが真空技術。みなさんがよくご存じの透明な卵のパッケージは、真空技術によって成形されています。加熱して軟化させたプラスチックシートを型の上に置き、型の間を真空にすると、シートと型が密着され成形されるという仕組みです。

さらに真空は卵をこのパッケージに入れるときにも真価を発揮します。卵を機械でつかんだりせずに真空の力で優しく吸着することで、割れないように搬送や挿入することができるのです。

こうして真空技術を活かすことで、卵が割れてしまったりするリスクを回避して、パッケージングや輸送のコストを減らすことに成功。栄養価の高い卵が、安価に安定的に供給できるようになったのです。だからこそ、卵不足に陥った時にこそ、卵のありがたみに気付くのかもしれませんね。できればそんな時、卵だけではなく、真空技術にも時々思いを馳せていただくとうれしいです!

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