かぼちゃ、トマト、なす、ゴーヤ、ピーマン、パプリカ、モロヘイヤ、オクラ…。夏になると緑鮮やかな夏野菜が店頭に並びますね。そのまま食べても良いし、夏野菜のカレーもいいですね。
さて、そんな夏野菜ですが、どんなふうに皆さんの手元に届いているかご存じですか。例えば、その日の朝に収穫したとしても、産地からトラックで高速道路を通って到着するまでには早くても半日はかかりますよね。でも、繊細な野菜の場合、半日も常温で放置しておくと葉先がしおれてしまいます。そこで登場するのが真空技術です。
農家では気温の低い朝方に野菜を収穫します。これを段ボールに詰めて数十から数百個という単位でまとめて冷却します。冷やされた野菜は新鮮なまま皆さんの手元に届くというわけです。そして、その冷却装置に真空が使われています。野菜を入れた装置内を真空ポンプによって減圧。すると、野菜の葉の間の空気や水蒸気までがすべて排出されるのです。野菜の葉の裏側にある小さな穴からも水分が蒸発。0℃近くまで冷やすと野菜が仮死状態になって、新鮮なまま配送することが可能になります。
新鮮でおいしい野菜が食卓に並んだら、真空が運んできたんだな、とおいしさを噛みしめてみてください。