#79「デジカメでもスマホでも写真撮影に真空は欠かせません。」

真空にヒントあり

行楽シーズンに旅行にでかけるとなると、カメラを新調したり、お出かけ用の良い服を買ったり。少し前までは、そんなちょっと特別な感じが旅行気分を盛り上げてくれたものです。しかし、いまでは普段着のままでリラックスして旅に出る人が増えています。また、写真撮影もわざわざカメラを引っ張り出さなくてもいつものスマホで充分に美しい写真が撮れるようになりました。

デジカメを購入しなくても、スマホですむのだから、レンズの需要も落ち着いているのかというとそうでもないようです。実はスマホカメラのレンズはかなり品薄の状態。スマホカメラのレン ズはほぼ日本のメーカーがシェアを独占しているのですが、急速な普及に出荷台数になかなか追いつかないそうです。

スマホのカメラのレンズは、軽量な合成樹脂が使われています。薄いボディにあわせて、直径23㎜厚さ0.21mm程度のレンズが56枚組み合わせられているのです。そして、これらのレンズには反射防止膜を付ける必要があり、その工程で真空が利用されています。でも一つ一つのレンズに膜を付けて、組み立てていては大変。そこで数千個のレンズを円盤上にまとめ、円盤ごと真空装置に入れて膜を付けます。その後、円盤ごと組み立てて、最後にまとめて切断するのです。 旅先で「映える写真」が撮れて、SNSにアップするときには、ほんの少しだけ「真空技術のおかげだなあ」と真空のことを思い出してくれると、とてもうれしいです。

79「デジカメでもスマホでも写真撮影に真空は欠かせません。」
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