#146「バレンタインには、柔らかな口溶けのチョコはいかが?」

真空にヒントあり

バレンタインに女性から男性にチョコレートをプレゼントする、というのは「チョコレート業界が仕掛けた一大キャンペーンだった」というお話はもうみなさんもご存じですよね。1950年代の終わり、あるチョコレートメーカーの社員が「海外ではバレンタインデーに花やお菓子を贈る習慣がある」という話しを聞きつけ、自社のチョコレートの販売促進に取り入れた、というお話があります(諸説あり)。

そんな企業努力が実り、バレンタインチョコが飛ぶように売れたピークは1980年代のバブルの頃だそうです。本命チョコ、義理チョコなどが入り乱れて、バレンタインデーの職場や学校は男女ともに一喜一憂の一大イベントでした。しかし、長い不況をくぐり抜けて、今ではわざわざ義理チョコを大量購入する人もいなくなりました。現在の主流は女の子の友だち同志でチョコを贈り合う「友チョコ」だそうです。

さて、そんな中、真空が製造に一役買っているチョコレートがあります。それがエアインチョコ。文字通り、チョコレートのなかに空気が含まれているチョコレートです。小さな気泡が含まれることによって、軽く柔らかい口溶けの食感が楽しめます。ちょっと重たい本命チョコより、友チョコにピッタリかもしれません。

製造工程は意外に簡単です。加熱して液状になったチョコレートを真空容器に入れます。そして、空気を抜くと、チョコレートの中に含まれていた小さな気泡がふくらみ、そのまま冷やし固めると中に空気を含んだエアインチョコが出来上がるのです。また、真空を使わずに重曹で気泡をつくるという作り方もあるようです。これなら、市販のチョコで自宅でもつくれますね。

ステイホームも長くなってきて、若い人たちの間で結婚願望が強まっている、というアンケート結果もあるそうです。もしかしたら、今年のバレンタインデーはチョコで愛を告白する本命チョコが主流に返り咲くかもしれません。

146「バレンタインには、柔らかな口溶けのチョコはいかが?」
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