#151「バイオマスエネルギーの取り組みにも真空技術」

真空にヒントあり

地球温暖化を食い止めることは、世界各国の最優先課題です。そのためには、CO2の排出を少しでも食い止めなければなりません。そのために国際会議が開催され、具体的な数値目標が掲げられています。そんな中、注目されているのがバイオマスエネルギー。「バイオマス」とは生物から生まれた資源のことを言います。森林の間伐材や家畜などから出る排泄物、さらに食品廃棄物などを資源として生み出されるエネルギーをバイオマスエネルギーと呼んでいます。バイオマスエネルギーは、CO2を吸収して成長する木材などを原料としていることで、結果的にCO2を増やさないカーボンニュートラルなエネルギーです。

そんな地球環境に優しいバイオマスエネルギーを作り出す工程にも真空技術が活かされています。バイオマスエネルギーは、最終的に固体燃料になったり、液体燃料になったり、気体燃料になったり、多様な活用ができます。動植物などの生物資源から、バイオマスエネルギーを生み出すためには、燃料としての不純物を取り除く必要があります。例えば、バイオマスを活用したディーゼル燃料の場合は、廃食油を水と分離した後に濾過して真空乾燥させる工程や減圧蒸留工程が必要なのです。

地球環境に配慮した持続可能な開発目標にも貢献するバイオマスエネルギー。しかし、バイオマスエネルギーへの期待が高まっているのは、ただCO2を増やさないからだけではありません。バイオマスは山間部や漁村など、人の暮らしとともにすでに存在する資源です。つまり、地域活性を促進しながら新しいエネルギーを生み出すことができるのです。

151「バイオマスエネルギーの取り組みにも真空技術」
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